妊活する女性が摂取する葉酸の目安とは

葉酸はとても重要な栄養素であり、動脈硬化のリスクを減らすといわれています。また妊活している女性や妊婦には欠かせない栄養素ということは、広く認知されてきています。何故なら、葉酸が不足することで胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まるからです。

ここでは葉酸の働きや、動脈硬化のリスクを減らすメカニズムについて紹介します。更に妊婦の葉酸摂取目安量や、影響を与える薬剤についても取り上げます。

薬局やスーパーでも買える?葉酸について知って妊活を始めよう

葉酸とは

葉酸とは人の体にとって必要な栄養素であり、ビタミンB群の1つといわれています。別名としてビタミンMやビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれることがあります。葉酸は遺伝情報であるDNAやタンパク質を構成するアミノ酸が合成される際に欠かせない栄養素として知られていて、もし葉酸が不足するとこれらが正常に合成されなくなります。

その結果、様々な障害が起こってしまうといわれています。葉酸が不足して起こる症状としては貧血や免疫機能減衰、消化管機能異常などがあります。

動脈硬化のリスクを減らします

更に最近の研究で、葉酸にはホモシステインと呼ばれる物質の血中濃度を下げる働きがあることが分かってきました。ホモシステインとは、動脈硬化を引き起こすといわれている物質です。ホモシステインはアミノ酸の一種であり、メチオニンからシステインが作られる過程で作られるものです。

メチオニンもシステインも身体にとって必要なアミノ酸ですが、その過程で作られるホモシステインの量が増えてしまうと活性酸素の量が増えるといわれています。また血管の柔軟性を失わせる働きもあるため、ホモシステインが増えると動脈硬化のリスクが高まるのです。

葉酸にはこのホモシステインを、システインに代謝させる働きがあります。つまり体の中の葉酸が不足すると、この代謝が滞るためホモシステインの量が増えてしまいます。したがって、葉酸をしっかり摂取することで動脈硬化のリスクを抑えます。

葉酸というと若い女性に必要なイメージがありますが、中高年の人たちにとっても非常に重要な栄養素であることが分かります。

妊活する女性は積極的に摂取しよう

先述した通り、葉酸はDNAやアミノ酸の合成に欠かせない栄養素です。遺伝情報がつまっているDNAの複製は細胞分裂によって伝達される特徴があります。つまり細胞分裂や増殖が最も盛んに行われる胎児の時期に葉酸が不足してしまうと、中枢神経に障害が起こるリスクが高まります。

もし妊娠期に葉酸が欠乏していると、胎児に神経管閉鎖障害が起こり、重症の場合は命にかかわることがあります。神経管閉鎖障害には二分脊椎や無脳症があり、これは脳や脊椎の形成が不十分であるため、体の様々な機能に障害が出てしまうのです。

ただし、これらの原因がすべて葉酸にあるというわけではありません。しかし妊娠の初期に葉酸が不足すると、神経管閉鎖障害が起こりやすいことが知られてきました。これは一般の女性にも少しずつ認知されるようになってきています。

葉酸と母子の健康を考える会が2012年度に、15歳から49歳の女性約1,300人に対して葉酸認知度の調査を行ったところ、66.7%の人が認知していることが分かりました。

その中でも、妊娠している女性の認知度は93.4%と非常に高いことが分かりました。母子手帳にも葉酸摂取の大切さが記載されるようになったため、認知度が高くなってきたのです。ところで、妊娠初期は妊娠していることに気づきにくいものです。

そのため妊娠が分かったら葉酸を摂るのではなく、妊活する女性は葉酸を積極的に摂るという姿勢がとても重要です。

葉酸摂取量の目安

2000年12月に厚生労働省から葉酸の摂取について通知が出されました。それによれば、妊娠を希望する女性や妊娠3カ月までの女性には、一般の食品にプラスしてサプリメントなどで1日400μgの葉酸を摂取すると、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことができるとされています。

また妊娠4カ月目以降から正産期までの女性には、一般の食品にプラスして1日240μgの葉酸摂取が推奨されています。ところで、葉酸はほうれん草から分離された栄養素として有名です。ほうれん草以外にもブロッコリーやアスパラガス、春菊やオクラなどの緑色の濃い野菜に、葉酸は豊富に含まれています。

また、豆類や果物類にも多く含んでいます。ゆでたほうれん草200g(1束分)の中に、葉酸は約200μg含まれています。しかも葉酸は吸収されにくい栄養素であるため、1日400μgもの葉酸を一般の食品から摂るのは非常に大変かもしれません。

そこでサプリメントの力を借りることをおすすめします。何故なら葉酸は継続して摂取する必要があるため、普段の食事を頑張りすぎると長続きしないからです。妊活を始める時から、サプリメントの摂取は必要と考えておくと良いかもしれません。

サプリメントの良いところは、手軽に摂取できたり、摂取量が分かりやすかったりする点です。またメーカーは品質の改良に努めているので、吸収力の高い葉酸を摂取できる利点があります。サプリメントの摂取は国も推奨しているため、使い方を守れば妊活女性にはとても役立ちます。

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葉酸の吸収に影響を与える薬剤

葉酸はいくつかの薬剤によって吸収が妨げられたり、血中濃度が下がったりすることが知られています。例えばシメチジンやファモチジンなど、胃酸を抑えるH2ブロッカーは、葉酸の吸収を下げる可能性があります。また非ステロイド系抗炎症薬であるアスピリンやインドメタシンは、葉酸の血中濃度を下げる作用があるという報告がありました。

さらに抗てんかん薬でも、葉酸の血中濃度が下がる可能性が報告されています。しかしこれらの薬剤を服用している場合でも、すぐに葉酸を補給しようとは思わずに、まずは医師と相談することをおすすめします。何故なら葉酸不足も心配ですが、葉酸を摂ることでいつも飲んでいる薬剤の作用に影響を及ぼす可能性があるからです。

特に抗てんかん薬を飲んでいる妊婦から、奇形を持つ赤ちゃんが生まれる可能性が高いという報告があります。これは抗てんかん薬によって、血中の葉酸が欠乏するのではないかといわれています。そのため、抗てんかん薬を服用している妊婦は、定期的に葉酸の血中濃度を測定します。

もし葉酸の血中濃度が低い場合は、補充するという治療方法を取っています。このように定期的に服用しなければならない薬剤がある場合は、医師と相談しながら血中葉酸濃度を測定すると良いかもしれません。